株式会社AiTrax(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役:田村 勉氏)は5月22日、佐賀県にある株式会社名村造船所伊万里事業所の実稼働工場敷地内において、走行する大型部品運搬台車に搭載したWi-Fiアクセスポイントを介した映像のリアルタイム伝送に成功したと発表した。
台車の走行中に接続先アクセスポイントが順次切り替わる過酷な環境下でも、映像の途絶を感知させることなく通信を維持しており、実運用に耐えうる水準であることが確認されたという。
本実証は稼働中の工場敷地で行われ、搬送物が数十トンに及ぶ大型造船部品であることから、機器の設置場所は積載物との接触を避ける車両前部の外部内側に限定された。さらに走行中は積載物の金属材質による電波遮蔽や反射が刻々と変化するという、通信の安定維持が極めて難しい条件であった。
こうした制約の中でも途切れることなく映像伝送を実現できたことは、同社が蓄積してきたアンテナ選定とファームウェアの最適化に関するノウハウが、実環境で機能したことを示す成果となっている。
今回の成果は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のSBIR推進プログラムおよび国土交通省の交通運輸技術開発推進制度における3年間の国家プロジェクトの集大成として得られたものだ。
AiTraxが独自開発した「パスコスト基軸型オンディマンドアルゴリズム」は、電波強度のみで経路を判断する従来製品とは異なり、スループットや遅延、パケットロス率などを統合してリアルタイムに算出し、最適な経路を自律的に選択する仕組みを持つ。これにより、工場敷地内においてミリ秒単位での経路切替と安定した映像伝送を実現し、移動体に搭載したアクセスポイントがネットワークノードを兼ねながら通信を維持するという新たなアーキテクチャの実用性を証明した。
「移動体がネットワークノードを兼ねながら安定通信を維持する」という仕組みは、造船所の台車に留まらず産業界全体に広く応用できる。AGV(無人搬送車)や自律移動ロボットの実用化をはじめ、エッジコンピューティングによる現場での危険検知、さらには複数のドローンが動的に編隊を変化させながら協調作業を行う際の通信基盤としても大きな可能性を秘めている。
同社は今後、造船所クレーンと地上間の安定通信をはじめ、港湾・建設・土木・社会インフラ分野への横展開や、ドローン編隊との連携システム開発、ならびにグローバルサウスへの普及も推進していく方針だ。
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②発掘・育成
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③競争&共創
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