コラム
COLUMN

ベトナムでの実証実験成功 ― 中小企業の海外進出を支える新たな情報インフラ  ― 総務省ICTスタートアップリーグ採択事業・株式会社KiAIの挑戦 ―

株式会社KiAI

日本の中小企業がグローバル市場に進出する際、大きな壁となるのが「現地の生の情報」の不足です。そんな課題に正面から向き合い、旅行業界の資産とAI技術を活用した革新的なビジネス調査インフラ構築に挑むスタートアップ、株式会社KiAI。同社は、総務省「ICTスタートアップリーグ」採択事業として、2025年12月にベトナム・ホーチミンで実証実験を成功裏に終えました。本実証は、ICTスタートアップリーグで連携する株式会社IACEトラベル(本社:東京都)との協業により実施されました。

<代表者インタビュー ― グローバル挑戦への想い>

株式会社KiAI 代表取締役 大場一雅氏は、次のように語ります。

「日本には、世界で通用する技術やプロダクトを持ちながら、“正確で信頼できる現地情報が手に入らない”という理由だけで、海外挑戦を断念してきた中小企業が数多く存在します。私はこれを、個々の企業努力の問題ではなく、日本の成長機会そのものを失ってきた構造的な課題だと捉えています。
KiAIは、『すべての人にグローバルなリターンを届ける』というビジョンのもと、AIによる高度な情報解析と、現地に根ざした人的ネットワークを融合させることで、これまで分断されてきた“オンラインの情報”と“現地のリアル”をつなぐ新しい情報インフラの構築に挑んでいます。
今回のベトナムでの実証実験は、その挑戦が現実のビジネス現場で確かな価値を生み出せることを示す重要な一歩でした。従来は時間もコストもかかっていた現地調査を、圧倒的なスピードと精度で実行できたことは、海外展開の常識を大きく変える可能性を秘めています。
私たちが本当に実現したいのは、“一部の大企業だけが海外で戦える世界”ではありません。
規模に関係なく、日本の中小企業一社一社が、自信を持って世界に挑戦し、正当な評価とリターンを得られる環境をつくることです。
KiAIはこれからも、AIとリアルを徹底的に融合させた実装型のサービスを磨き上げ、日本企業の海外挑戦を特別なものではなく、“当たり前の選択肢”に変えていきます。世界に挑む日本企業の最前線で、私たちは走り続けます。」

<実証実験の概要と成果>

今回の実証実験は、IACEトラベル社が保有する「ランドオペレーター(旅行会社からの依頼で現地手配を担うプロフェッショナル)」のネットワークを活用し、ベトナム・ホーチミンにて現地企業3社の所在地確認、営業実態の調査などを実施しました。
結果、従来数週間かかっていた現地調査を「最短1日」で完了し、コストも従来の1/10以下に抑えることに成功。オンライン情報だけでは把握が難しい企業の実在性や営業状況を、現地の人の目で直接確認することで、信頼性の高い調査結果を得ることができました。

<サービスの革新性 ― デジタル×リアルのハイブリッド型支援>

KiAIは今後、「Trst(トラスト)」という海外展開支援プラットフォームを2026年半ばにローンチ予定です。
Trstは、AI営業エージェントによる市場調査や営業戦略立案、アプローチ先企業の発掘から、現地商習慣に合わせた多言語対応まで、海外展開のPDCAサイクル全体を自動化。さらに、現地ランドオペレーターによる直接確認オプションや、商談時の現地訪問パッケージ、通訳、安全確保サポートなど、海外経験が浅い企業でも安心してビジネスに取り組める体制を整えています。
「AIと現地の人的ネットワークを組み合わせることで、情報の精度と信頼性を最大化します。デジタルとリアルの両面から企業の海外挑戦を支えたいと考えています。」(大場氏)

<中小企業が抱えていた課題を解決>

海外進出時に直面する「情報の非対称性」「高額な調査コスト」「時間的・人的リソース不足」「オンライン情報の信頼性不安」。KiAIの新サービスは、これらの課題をランドオペレーターの現地力とAI解析力で一気に解消。中小企業が、世界のどこへでも安心して進出できる情報基盤を構築することを目指しています。

<今後の展開>

ベトナムでの実証成功を皮切りに、今後は日本の中小企業とのパイロットプロジェクトやサービス正式ローンチを予定。アジア・欧米などへの展開も順次拡大していく方針です。
「日本の中小企業が世界へ挑戦するための情報インフラをつくりたい」――KiAIの挑戦は、IACEトラベル社をはじめとしたパートナーとともに、これからも続きます。

■ICTスタートアップリーグ
総務省による「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機に、グローバル展開を目指すスタートアップにとって、事業拡大のための実践的な支援や競争・共創の場を提供するプログラムです。
これから海外市場へ挑戦したい、ICTの力で社会課題を解決したい――そんな想いをお持ちの方は、ぜひプレエントリーを通じてご参加ください。
プレエントリー | ICTスタートアップリーグ

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①研究開発費 / 伴走支援
最大2,000万円の研究開発費を補助金という形で提供されます。また、伴走支援ではリーグメンバーの選考に携わった選考評価委員は、選考後も寄り添い、成長を促進していく。選考評価委員が“絶対に採択したい”と評価した企業については、事業計画に対するアドバイスや成長機会の提供などを評価委員自身が継続的に支援する、まさに“推し活”的な支援体制が構築されています。
②発掘・育成
リーグメンバーの事業成長を促す学びや出会いの場を提供していきます。
また、これから起業を目指す人の発掘も展開し、裾野の拡大を目指します。
③競争&共創
スポーツリーグのようなポジティブな競争の場となっており、スタートアップはともに学び、切磋琢磨しあうなかで、本当に必要とする分の資金(最大2,000万円)を勝ち取っていく仕組みになっています。また選考評価委員によるセッションなど様々な機会を通じてリーグメンバー同士がコラボレーションして事業を拡大していく共創の場も提供しています。
④発信
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