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「行きやすさ」ではなく「求められるか」。海外展開は“生存戦略”である

ビジネスは所詮『運』。だが確率を上げる努力は必要だ ― 第8回 スタートアップリーグアカデミー ダイジェストレポート―

2025年12月17日、第8回『スタートアップリーグアカデミー』が開催されました。

今回は、特別ゲストとして100年以上の歴史を持つブラザー工業株式会社の取締役会長、小池 利和氏をお招きし、「変革と挑戦」をテーマにした特別セッションが行われました。 また、バリューアップセッションでは、株式会社SonicAIが登壇し、製造業向けAIサービスのピッチとメンタリングが行われました。

■特別セッション:『100年企業・ブラザー工業株式会社の変革と挑戦』

セッション:『100年企業・ブラザー工業株式会社の変革と挑戦』

特別セッションには、ブラザー工業株式会社の小池会長が登壇。「ミシン屋」から「プリンティング」「通信カラオケ」など多角的な事業展開で成長を続ける同社の歴史と、経営哲学について語られました。

小池氏は、「会社が100年、200年と繁栄し続けるには、一つのことをやり続けるだけでは難しい」と述べ、祖業であるミシン事業から、タイプライター、プリンター、通信カラオケ(JOYSOUND)、工作機械へと事業ポートフォリオを大胆に変革してきた歴史を紹介しました。 かつて売上の中心だった工業用ミシンは現在4%程度となり、プリンティング事業や工作機械事業などが収益の柱となっている現状を説明。「変化に対応できない会社は淘汰される」とし、常に時代の変化を先取りする重要性を強調しました。

また、自身の経験を振り返り、「ビジネスは所詮『運』であり、完璧なものはない」としながらも、「運を引き寄せるためには、成功の確率を上げる努力をし続けなければならない」と断言。 失敗を恐れずに挑戦し続ける姿勢が重要であり、自身も「100回やって3つ成功すればいい」という感覚で数々の新規事業に挑んできたと語りました。

■株式会社SonicAIによるバリューアップセッション

株式会社SonicAIによるバリューアップセッション

バリューアップセッションには、株式会社SonicAIの代表取締役 田中氏が登壇。「製造業の目視検査を自動化するAI画像処理システム」についてプレゼンテーションを行いました。

田中氏は、製造現場における「人材不足」「品質課題」「トレーサビリティ」という3つの課題を指摘。特に多品種少量生産の現場では、従来の自動化設備が高額で導入困難である現状を説明しました。 同社のソリューションは、コンセントに繋ぐだけで設置でき、良品データのみを学習させることで最短数秒で検査設定が完了するという手軽さを強みとしています。

これに対し小池会長は、「画像認識による検査自体は新しいものではない」と鋭く指摘。「AIをどれだけ使い込み、データを集めて賢くできるかが勝負」と述べ、単なる良否判定だけでなく、検査データを蓄積・活用することで「トレーサビリティ」や「安全安心」という付加価値をお客様に提供することの重要性を説きました。 また、最後には「失敗しても命まで取られるわけではない。開き直って、人との縁を大切にしながら挑戦し続けてほしい」と、温かいエールを送りました。

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■ICTスタートアップリーグ
総務省による「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機に2023年度からスタートした支援プログラムです。
ICTスタートアップリーグは4つの柱でスタートアップの支援を行います。
①研究開発費 / 伴走支援
最大2,000万円の研究開発費を補助金という形で提供されます。また、伴走支援ではリーグメンバーの選考に携わった選考評価委員は、選考後も寄り添い、成長を促進していく。選考評価委員が“絶対に採択したい”と評価した企業については、事業計画に対するアドバイスや成長機会の提供などを評価委員自身が継続的に支援する、まさに“推し活”的な支援体制が構築されています。
②発掘・育成
リーグメンバーの事業成長を促す学びや出会いの場を提供していきます。
また、これから起業を目指す人の発掘も展開し、裾野の拡大を目指します。
③競争&共創
スポーツリーグのようなポジティブな競争の場となっており、スタートアップはともに学び、切磋琢磨しあうなかで、本当に必要とする分の資金(最大2,000万円)を勝ち取っていく仕組みになっています。また選考評価委員によるセッションなど様々な機会を通じてリーグメンバー同士がコラボレーションして事業を拡大していく共創の場も提供しています。
④発信
リーグメンバーの取り組みをメディアと連携して発信します!事業を多くの人に知ってもらうことで、新たなマッチングとチャンスの場が広がることを目指します。

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