RAYN 2026

(神奈川県・川崎市)

RAYNは、人工衛星に搭載するAI計算機の熱を処理する熱輸送モジュールを開発しています。宇宙では、機器で発生した熱を最終的に放射で宇宙空間へ捨てる必要があり、計算能力の増大に伴って熱制御が重要になります。軌道上でのAI処理が高度化し、計算機の消費電力が数百ワットからキロワット級へ向かう中、従来より大きな熱を安定して放熱面まで運ぶ技術が必要です。RAYNは、機械ポンプや可動部を用いずに熱を輸送する技術を開発し、振動を抑えながら大きな熱を運ぶことを目指します。将来的には、軌道上AIを支える熱・電力基盤への展開を目指します。

RAYNが目指すイノベーション
INNOVATION

衛星搭載エッジAI向け熱制御技術の研究開発

本リーグでは「衛星搭載エッジAI向け熱制御技術の研究開発」として、キロワット級の熱を出すAI計算機を人工衛星に搭載するための熱輸送モジュールを試作します。宇宙では、機器で発生した熱を最終的に放射で宇宙空間へ捨てる必要があり、チップの熱を機外の放熱面まで運ぶ装置が必要になります。従来の小型衛星で用いられてきた熱設計を、そのままキロワット級へ拡張することは困難です。そこで軌道上でのAI発熱を模擬した試作機を製作し、どこまでの熱量をどれだけ安定して運べるかを実測します。あわせて、AIチップの実際の負荷を模擬した発熱パターンを与え、処理が集中したときに温度が上がりすぎないかを評価します。

この技術を知ってもらう

RAYN 代表者紹介
REPRESENTATIVE

代表者 江塚 風也
1997年生まれ。2022年東京大学大学院修了。水を推進剤とするイオンスラスタの高寿命化を研究。在学中は宇宙スタートアップPale Blueで耐久試験を担当。卒業後はソニーグループでGNSS受信機の組込みソフトウェア開発に従事し、JAXAでの開発も経験。GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2022受賞。2026年 東大FoundX Studio Program採択。RAYNを立ち上げ、軌道上AI向け熱制御技術を開発中。
主な実績 2026年 ICTスタートアップリーグ 採択
子供の頃の夢 子供の頃の夢は物理学者でした。TVドラマ「ガリレオ」がきっかけで物理にのめり込み、高校では物理チャレンジ本選に出場しました。今は「実に面白い」宇宙でAI計算機を動かすための熱の課題に、本気で挑戦しています。
影響を受けたヒト、モノ、コト ヒト「浅川純さん」
モノ「未来を実装する(馬田隆明)」
コト「Generative AI」
起業したきっかけ、成し遂げたい目標、創りたい世界 宇宙開発は夢やロマンで語られることが多いですが、私は人々の生活を支えるインフラだと考えています。大学では小泉研究室で、超小型衛星向けの推進器を研究しました。半導体や電子機器は急速に小型・高性能化する一方、推進や熱制御は流体や熱といった物理量に支配され、同じようにはスケールしません。そこで、物理原則に立ち返り、一つ一つ技術のデルタを積み上げ、世の中にないハードウェアを形にする面白さと難しさを学びました。在学中はPale Blueでイオンスラスタの製品化に向けた開発に携わり、研究を実証で終わらせず事業にするスタートアップの速度を知りました。また、自ら太陽の観測情報を音に変換する装置を製作し、科学館で小学生向けPoCを実施。この取り組みはGOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2022を受賞しました。
卒業後は宇宙産業の外で技術者としての幅を広げるためソニーに入り、生成AIによる計算需要の急増を目の当たりにしました。軌道上AIデータセンタの構想を知ったとき、大学時代に向き合ったスケーリング則が再び頭に浮かびました。計算能力は急速に伸ばせても、発生した熱を輸送し宇宙空間へ捨てる能力は同じようには伸びません。この物理的なギャップが、次の宇宙コンピューティングを支配する制約になると考えています。
日本に蓄積された基礎研究と要素技術を研究で終わらせず、次の宇宙インフラへつなげる。そのために、軌道上AIの熱制約を解くディープテックをつくります。

RAYN 基本情報
BASIC
INFORMATION

グループ名 RAYN
代表者名 江塚 風也
設立日 2026年2月9日

RAYNも参加するSTARTUP LEAGUE。
そのスタートアップ支援について、詳しくはこちらをご覧ください。