リーグレポート
REPORT

「薬局に行かなくて良い次世代型薬局」を立ち上げる、株式会社Kiviaqとは?

ICTスタートアップリーグでは、ICT分野におけるスタートアップ企業を応援しています。今回は、2025年度採択企業である株式会社Kiviaq(以下、Kiviaq)をご紹介します。Kiviaqは、私たちの日常に欠かせない「薬局」のあり方を根本から変えようと挑戦している、非常にユニークな企業です。

Kiviaqは「行かなくても良い薬局」を目指し、処方箋受付から調剤・配送までを一貫して提供する新しいサービスを開発中です。早速、Kiviaqの伴走支援を担当している、事務局担当者による「推しポイント」をお伝えします。

なぜ、日本のスタートアップは世界を目指すべきなのか。日本の優秀な人材を国外に流出させないためにはどうするべきなのか。現場で多くの起業家や支援者と向き合ってきたからこそのリアルな危機感と、その先にある可能性について伺いました。

■プロフィール

小田嶋アレックス太輔

株式会社Kiviaq

株式会社Kiviaqは、「必要な薬が、必要なタイミングで、手軽に届く」ことを当たり前にするため、医薬品の流通と薬局体験を再設計するスタートアップです。大手テック企業や物流、デジタルヘルスケア領域での実績を持つ経営陣が、テクノロジーとSCM(サプライチェーンマネジメント)を融合し、医療アクセスの課題解決に挑みます。

これまで「当たり前」だった薬局体験を変える

病院で診察を終え、処方箋を持って薬局へ。体調が悪い中、長い待ち時間や複数の薬局を回る手間を経験したことのある方は少なくないはずです。私も、Kiviaqの事業を知るまで、薬局での待ち時間や在庫切れによる“たらい回し”を「仕方ないもの」と思っていました。しかしKiviaqは、こうした“当たり前”に疑問を持ち、テクノロジーの力で解決しようとしています。

Kiviaqの目指す「行かなくても良い薬局」とは

Kiviaqが目指す「行かなくても良い薬局」とは、診療後に薬局に行かず処方薬が直接自宅や職場に届く配送前提の薬局です。具体的には、受診後にもらう処方箋を患者さんにLINEでアップロードしてもらい、処方箋に基づいてKiviaqが運営する薬局で調剤し、そのままご自宅などご希望の場所まで薬を配送する、という一貫したサービスを構築しています。

これにより、従来のように病院から薬局へ移動して長い待ち時間を過ごしたり、在庫切れで複数の薬局を回る必要がなくなります。また、LINEを活用したプラットフォームを採用しているため、スマートフォン操作に不慣れな方でも直感的に利用できるのも特徴です。

「薬局に行かなくても薬が届く」新しい体験を、Kiviaqはテクノロジーの力で実現しようとしています。

たらい回しを防ぐ仕組みと驚きのスピード

Kiviaqの強みは、在庫管理体制の徹底による「在庫切れゼロ」への挑戦です。これまで薬局で「その薬はありません」と断られ、他の薬局を探して回る――そんな不便を解消します。さらに、調剤後、最速30分での配送を目指しています。体調が優れない時こそ、スムーズな薬の受け取りが求められる中、Kiviaqのサービスは新たな安心をもたらします。

6,000万円の資金調達、2025年11月営業開始へ

Kiviaqは設立からわずか3か月後の2025年8月、6,000万円の資金調達を達成。現在は2025年11月に第一弾として自社運営の薬局の営業開始を目指し、準備を進めています。電子処方箋のみならず、LINEでの画像送信や医療機関からの直接送信による処方箋の受付、そして調剤後に自社の配送網を通じて薬を届ける、という一連のビジネスモデルの実証を予定しています。医療業界はDX(デジタルトランスフォーメーション)が遅れている分野とも言われますが、安全性や個人情報保護、法規制といった高いハードルの中で、Kiviaqは着実にその壁を乗り越えようとしています。

社会に広がるインパクトと、事務局としての期待

Kiviaqの挑戦は、患者さんの利便性向上だけでなく、薬局で働く方々の業務負担軽減にもつながります。医療業界のDXは一朝一夕には進みませんが、患者と薬局の双方にとって優しい社会を目指すKiviaqの取り組みは、今後の医療サービスの新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。
ICTスタートアップリーグ事務局としても、Kiviaqが直面する課題に寄り添いながら、社会的意義ある事業の成長を全力でサポートしてまいります。