(宮城県・仙台市)
Kisui TECHは、宇宙探査ロボット技術やその他の先端技術を活用し、農業をより肉体労働の少ない作業へと移行させる新興企業であり、農家が果樹園を拡大し、収入を増やすことができるよう、労働力不足の解消を目指している。
ICT技術とロボットによって収集されたデータを利用することで、農業を地球にとってよりクリーンなものに変える可能性があり、同時に、農産物の投入にかかる費用を節約できる農家と、農産物のサプライ・チェーン全体に計り知れない価値をもたらす。
<スタートアップ解説員の「ココに注目!」>
・宇宙ロボットの研究で培った技術で地方農業の課題解決に取り組むスタートアップ企業です。なぜ宇宙から農業へ!?とまず思いましたが、「目の前の困っている人たちを救いたい」というCEOタミル氏の想いが強く込められているということがインタビューを通じてよく分かります。
・現在、自動運搬ロボットで高齢の方々による農作物運搬を支えるところがメインの事業でありつつ、得たデータと声から支援できることを広げていこうとしています。来日され、宮城を愛し、そこで出会った農家の方々を愛する。テクノロジー×愛が掛け合わさったスタートアップ企業として、私は注目しています。
本研究の目的は、ICTを活用して農業における全く新しいデータプラットフォームを構築することにある。当社ロボットが圃場において様々なデータをセンシングしSLAM技術によりマッピングすることで、収穫量予測や土壌内で不足している栄養分の分析、病害虫の発生状況などの圃場の状況をデータ化して農家を支援する。さらに、例えば病害虫のデータを農薬メーカーに提供することで事前に需要の伸びる農薬の在庫を準備することができるなど、様々なエンティティに対して価値を提供することが可能となる。ロボットが生データを取得し、それを解析したうえで有用なデータとしてサイト上のプラットフォームで閲覧可能にすることを本研究のゴールとする。
代表者 |
Blum Tamir タミル・ブルーム博士はKisui TECHのCEO兼創設者であり、AIとロボティクス技術、宇宙ロボティクスのノウハウをAGTECHに導入し、日本や世界の果樹園農家に力を与えることを目指している。東北大学宇宙ロボティクス研究室にて、ローバーや脚式・クライミングロボットを含む様々な月面ロボットへの強化学習やその他のAI技術の応用に焦点を当てた学位論文で博士号を取得。また、UCLA修士課程でも制御とロボット工学を専攻した。フランスの国際宇宙大学、中国・北京の清華大学、スペイン・マドリードのUC3Mなど、数多くの交換留学を経験。また、カリフォルニア州にあるスペースX社やエアロビロンメント社での勤務を通じて、産業界でも経験を積んでいる。 |
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主な実績 | Awards: Forbes Asia 30 under 30 (令和5年) Forbes Japan Rising Star (令和5年) 仙台X-TECH(クロステック)イノベーションアワード 大賞 (令和5年) MIT Tech Review Japan Innovators Under 35 (令和4年) J-Startup TOHOKU (令和4年) ベンチャー・カップCHIBA AI・IoT賞prize (令和4年) 在日フランス商工会議所 French Business Awards French Tech Award (令和4年) JA アクセラレーター・AgVenture Lab Innovation Prize (令和3年) TGA KDDIから受賞 (令和3年) TGA NEDO賞を受賞 (令和3年) ハードウェアコンテスト Gugen 優秀賞 (令和3年) X-Tech Innovation 東北地区協賛企業賞 (令和3年) Accels: JA アクセラレーター (令和5年) TGA×JETRO シリコンバレーブートキャンプ (令和5年) 浜松市アクセラレーター (令和4年) 東北グロースアクセラレーター(TGA)(令和3年) Accelerate Aichi by 500 Startups (令和3年) 青森市アクセラレーター (令和3年) HAX Tokyo (SOSV, Sumitomo (令和3年) Subsidies: 産地・SUのつながりPJ (AgventureLab, 農林水産省) (令和5年) TRY!YAMANASHI!実証実験サポート (令和5年) ぐんま Agri×NETSUGEN 共創 (令和5年) ひろしま型スマート農業推進事業技術実証実施業務 (令和5・6・7年) 福島イノベーション・コースト構想推進機構アクセラレーションプログラム採択 (令和4年) 度農林水産業等研究分野における大学発ベンチャー採択 (令和3年) 宮城県スタートアップ加速化支援事業補助事業 (令和3・4年) メディア掲載歴: NHK 「月面探査技術でりんご栽培効率化するロボット 実証実験協力を」(令和3年) News Picks「【挑戦】スペースXを辞めて、日本の農業変革に挑む男 」(令和3年) 東奥新聞「収穫リンゴをAI運搬/東北大学生ら実験へ」(令和4年) 仙台経済界9-10月号,農業の省力化を可能にするAIロボットを開発(令和4年) JA雑誌「地上」7号 (令和4年) Tohoku360「 宇宙工学の技術で「りんご運搬ロボット」を開発 高齢化が進む農家の救世主に」(令和4年) 日本経済新聞「東北大学、起業支援の裾野広げる シェアオフィス開設」 (2022/3/15) 日刊工業新聞「日本の農業に貢献したい 」(2022/3/10) |
子供の頃の夢 | 実際、私は子供の頃、ロボット工学や農業、あるいはエンジニアリングにはあまり興味がなかった。ロボット工学やエンジニアリングに興味を持ったのは大学に入ってからで、その後、日本に来て、地域社会や地元の農家が直面している厳しい状況を目の当たりにして、農業に興味を持つようになりました。 |
影響を受けたヒト、モノ、コト | ヒト「一緒にテストしてくれた福島の最初の農家さんは、このアプリが実際の農家さんの役に立つために必要なことをたくさん教えてくれました。」 モノ「オフロードに強く、複雑な環境でも自律でき、環境に関する多くのデータを感知できる宇宙ロボット技術。私たちはこの技術を農業にも応用します。」 コト「ありがたい地元機関の支援」 |
起業したきっかけ、成し遂げたい目標、創りたい世界 | 日本の農家が大変な思いをしているのを目の当たりにし、彼らの日々の暮らしについて話を聞いたことが、Kisuiを始めようと思ったきっかけです。 私のバックグラウンドは宇宙ロボット技術にフォーカスしてきたことであり、私たちの目標はそのような技術を農業に導入し、労働力不足や肉体的負担を解決することです。 多くの農家が高齢化し、引退していく中で、食料供給を安定させるためには、平均的な農地面積を増やさなければならないという認識があります。そのためにロボットやAI、ICT技術を活用したい。そうすることで、農家の経済状況も良くなり、地域も潤うことを期待しています。 |
会社名 | 輝翠TECH株式会社 |
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代表者名 | Blum Tamir |
住所 | 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1 東北大学マテリアル・イノベーション・センター青葉山ガレージ内 |
公式サイト、SNS |
Instagram Wantedly @kisuitech | X (Twitter) |
設立日 | 2021年9月 |
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